
東日本大震災発生より4ヶ月以上もの月日が流れ、復興に向けた取り組みは様々に進められてはおりますが
今日現在、避難所や仮設住宅において不便な生活を強いられている方は少なくありません。
そして、その誰もが同じように抱えている思いは、この先の生活、将来への不安ではないでしょうか。
私がこれまでに訪ねた仮設住宅では、一人暮らしのお年寄り世帯もあり、そうした方が日々
不安や悲しみをたった一人で抱えて込んでいるかもしれないと考えた時、とても胸が痛みました。
一人でもそうした人をなくしたい ――――。
そして、料理人という立場から考えついたのが、仮設住宅地の中に住人が気軽に集まれる「食堂」を作るということです。
日常の食事ができる場、住人がいつでも集まれる寄り合いの場を作る手助けをしたいと考えております。
これは決して営利目的のアイデアではありません。
そこに暮らす自たちによる自分たちのためのシステム創りなのです。

私はこれまで、料理人という立場から自然について考え、理解し、
その自然界で起こっている環境問題を、自分の料理を通して表現しようと努めて来ました。
しかし、3月11日に発生した大地震と巨大津波は、我々の想像を遥かに超える破壊力で街も自然も奪い去り
そこには人間の力が及ぶ余地など全くないように感じられました。
その時私は、料理人である自分に一体何ができるのかを考え、まず、被災地への炊き出しへ向かいました。
そして、この復興が長丁場になることを自分の目で確信し、ならばこの先、どんなお手伝いができるかを考え続けました。
そうして出た答えが、多くの皆さんの当面の生活の場になるであろう仮設住宅に「食堂」を作りたいというものでした。
今、この瞬間の皆さんの日常を少しでも明るいものにしたい。
今日一日の食事を諦めの食事にしてほしくない。そう強く思います。
「食道プロジェクト」はそのお手伝いができると信じております。